「柔道整復師」という仕事を分かりやすく解説!!
〜柔道整復師とは?〜
柔道整復師=「接(整)骨院の先生」です。
「整体院」は別物です。
接(整)骨院には、厚生労働省が認可する「柔道整復師」という国家資格が必要です。
整体院は、免許を持っていなくても業務を行うことができます。
※整体院にもたくさん勉強をされて多くの経験を持つ先生もいらっしゃいますが、
免許の保持が義務付けられていない分、知識や技術の保障はありません。
柔道整復師の行う、怪我の治療には健康保険の取り扱いが認められています。
〜柔道整復師になるには?〜
柔道整復師の養成学校(3年制の専門学校*(4年制の大学もあります))に入学し、
卒業が認められる事で柔道整復師の国家試験を受験する事が認められます。
その後、1年に1度の柔道整復師の国家試験に合格し、
厚生労働大臣によって柔道整復師名簿に登録され、初めて柔道整復師となります。
〜どんな事を学ぶの?〜
解剖学(人体の構造)
生理学(人体の機能)
柔道整復学理論(柔道整復師ならではの技術)
運動学、病理学概論、衛生学・公衆衛生学、
一般臨床医学、外科学概論、整形外科学、リハビリテーション医学、関係法規
の11科目は国家試験に出題されるのでマストで学びます。
〜合格基準は?〜
①必修問題30問(正答率80%以上でないと不合格)
②一般問題200問(正答率60%以上でないと不合格)
以上の①と②どちらも合格して初めて柔道整復師になれる。
どちらかが不合格であれば、その時点で不合格。
〜柔道整復師になるにはいくらくらいかかるの?〜
およそ300万〜500万の間でしょう。
〜ぶっちゃけお給料ってどれくらいもらえるの?〜
初任給は20万円前後でしょう。
最近はチェーン展開する接骨院も増えてきたので、
院長に昇任したり、マネージメントをする立場に少しでも上がれば、
もう少しもらえる様にはなりますが、
雇われている身での最高収入は僕が知る限り、
40万円(入社6年目の院長)が最大です。(おそらく、稀な高収入です。)
入社して数年経っても 月収20万台前半の人もザラです。
ボーナスはないと思ってください。
〜柔道整復師の未来(将来性)は?〜
現在、接(整)骨院が乱立して多くの地域で飽和状態になっている状況です。
その分、求人はあります。
しかし、いずれも低賃金で雇って、薄利でも多数店舗展開し、
オーナーのお財布だけが少し潤うというのが業界のひとつのテンプレートの様に
思えます。
その背景には、「"保険"の取り扱いが年々厳しくなっているから。」です。
ですので、柔道整復師の中でもトップレベル(スキル?トーク力?ブランディング?...etc.)の能力を身につけないことには、正直明るいとは言えないでしょう。
ちなみに私の場合、柔道整復師のという資格はあくまでも、
「コマンドのひとつ」と捉えていて、
「S&Cのトレーナーという本業を支える重要な能力。」と言った感じです。
※もちろん柔道整復師1本を極めて成功(定義は色々あるので敢えて書きませんが...)している人はたくさんいらっしゃいます。
〜柔道整復師の接(整)骨院での仕事内容〜
保険治療
骨折/ 脱臼/捻挫/打撲/挫傷....つまり原因が明確な急性の怪我に対する治療です。
保険外治療
慢性痛....肩こりや腰痛といったものは保険の適用外なので全額実費治療になります。
一般に言うところのマッサージや整体と言ったものを指します。
事務業務
カルテの作成や管理、
保険治療をした際に発生した治療費(療養費)を保険会社に請求する書類の作成など。
一般業務
清掃や精算など。
〜メリットとデメリット〜
<メリット>
・何よりも人の役に立てる事。きちんと勉強して患者様に還元すれば感謝される。
・複数の人(患者様)に話を聞く事ができる。
・独立開業する事が許されている事。
<デメリット>
・保険の適応範囲や保険の取り扱いにシビアになっている傾向があるので
風当たり?圧?は強い。
・雇用されている柔道整復師は基本的に低賃金。
〜まとめ〜
正直、柔道整復師自体の数が増えていて、飽和状態とも言えるでしょう。
需要(患者様)の人数に対して供給(柔道整復師)の人数が多ければどうなるのかは、お察しの通りです。
という意味では、柔道整復師1本でも当然ご飯は食べていけますが、
「柔道整復師はコマンド(武器)のひとつ。」
というのが私の考えです。